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原題 BECOMING A CHANGEMAKER
著者 Alex Budak
分野 ビジネス自己啓発、企業・経営、イノベーション
本文   世界はどんどん変わっている。その変化のスピードは以前よりもはるかにペースが速い。数世紀前だったら世の中を揺るがすような大変革、例えば印刷技術や望遠鏡や蒸気機関や電信が登場するスパンは人の一生と同じかそれ以上だった。ところが最近の5年間だけでも自動運転、遺伝子編集、AIと目を見張るようなテクノロジーの発達が次々と起きている。この勢いはこれからも止まらないだろう。しかし一方でこうした変化のために煮え湯を飲まされる運命にある人たちがいる全米で350万人いるトラックドライバーたちはやがて職を失うかもしれない。変化は全ての人たちにとって望ましいことであるとは限らない。リーダーたるもの、そうした人の気持ちも理解しなければならない。

 そのようにこの複雑な世の中では変化することは困難を伴うことが多い。技術変革のスピードは速く、それに我々の組織や能力が追い付いていけないからだ。チェンジメーカーは困難しか見えないように思えるところにチャンスを見出し、今日よりも将来のほうがよくなることを信じて疑わない人たちだ。本書ではチェンジメーカーのマインドセットやリーダーシップやアクションスキルを紹介している。

 筆者はカリフォルニア大学バークリー校のビジネススクールでゲームチェンジャーになるための講座を開設しており、本書はその講義に則った形で書かれている。したがって、実際に授業の中で取り入れているエクササイズも初めて外部に公開されている。また、リーダーシップを発揮すべきタイミングを細分化し、他者の役に立つ瞬間、変化を起こす瞬間、よい意味でのインパクトを作り出す瞬間というように単元化した「マイクロリーダーシップ」や変化への第一歩を明確で扱いやすい戦略に変えていくための「チェンジメーカー・キャンバス」など、筆者独特のアイデアが満載である。未来へ向けて変革に乗り出すためには必読の書だ。