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原題 Botanical Buildings
著者 Judith Baehner
ページ数 256
分野 建築・植物・インテリア・環境保護・癒し
出版社 Lannoo Publishers
出版日 2021/11/21
ISBN 978-9401475600
本文 都市部で、人工物に囲まれ忙しい毎日を送っていると、無性に自然に接したいと考えることがないだろうか。そんな時、街路樹や公園を散歩したり、部屋に花を飾ったりすると少し気持ちが癒されるだろう。アメリカの生物学者エドワード・O・ウィルソンは1984年の著書「バイオフィリア」で、人間には本来、継続的に自然とつながっていきたいという本能的欲求が備わっていると説いた。
本書では、建築家が設計段階からバイオフィリアや持続可能性、自然とのかかわりの重要性を十分考慮したうえで建てた、個人宅やホテル、マンション等の建築物が世界中から23件紹介されている。中庭や壁、屋根などに大胆に植物を配置しながらも、建築との調和が考えつくされた美しく目を引くプロジェクトばかりだ。植物の特性や、立地場所の気候が考慮され、その土地の文化も絶妙にデザインに取り入れられている。建物自体も個性的で目を引くデザインで、立地場所の高低差や木々も生かした設計だ。大きく鮮明な写真が、これらの建築の美しさを私たちに伝えてくれる。
 本書に登場する建築物は、一部に植物を取り入れることで、装飾としての美しさばかりではなく、実用的な効果を得ている。日陰を作り屋内の気温を下げる、緑の壁を作ることで騒音を軽減する、二酸化炭素を吸収する等、環境にやさしい建築物となっている。
巻末には、各プロジェクトの平面図、設計者、建築面積、立地条件、気候区分、各種受賞歴等のデータも掲載されている。