ブックレビュー
| 原題 | Leader as Healer |
|---|---|
| 著者 | Nicholas Janni |
| ページ数 | 192 |
| 分野 | ビジネス、リーダーシップ、組織論 |
| 出版社 | LID Publishing |
| 出版日 | 2022/03/24 |
| ISBN | 978-911687061 |
| 本文 | 「問題が起きたときと同じ思考でいるかぎり、その問題は解決しない」 ドイツ生まれの理論物理学者アルベルト・アインシュタインが残した言葉だ。問題を解決する上で、それまでの発想法を変えることが、いかに重要であるかを示している。 アインシュタインの言葉が示すような思考転換の必要性を、今日のビジネスリーダーはきっと痛感しているだろう。市場環境の急激な変化。世界各国を襲う異常気象。新型コロナウイルスの世界的流行。昨今の企業活動を取り巻く環境は、ますます混沌の度合いを深めている。 企業組織が難局を乗り切れるかどうかは、リーダーの資質を問う、大きな試金石だ。ところが、こうした未曽有の事態に多くのリーダーは対応できていない。彼らは旧態依然とした時代錯誤の考え方ややり方に終始する。その上、利害関係者の顔色ばかりうかがい、自らの保身に走る。リーダ達のこうした行動は、組織や社内で働く人々の間に分断や不信感を生み、組織全体の機能不全にもつながりかねない。 これからの企業組織に求められる次世代型リーダーとはどんな人物だろうか？ そして、そんな人物像に近づくには具体的にどうしたらよいだろうか？ 本書の目的はそうした問いに答えることだ。著者はトランスフォーメショナル・コーチングの専門家だ。従来のコーチングとは、コーチングの対象であるクライアント自身の気づきに重点を置き、クライアント自身に問題を解決させていくものだった。 一方、トランスフォーメショナル・コーチングでは、クライアントの内面に対してコーチが積極的に関与し、クライアントの行動や思考を改善していくことを重視する。 本書はこうした新しい形態のコーチング・メソッドの知見を活かしながら、合理的な判断と同時に心情への配慮をあわせ持つ優れたリーダーを「healer （治療者、癒す人、ヒーラー）」と称し、今求められる真のリーダーシップとは何かを考察していく。 |
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