原題 | Grounded Wildness |
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著者 | Heather Whelpley |
ページ数 | 192 |
分野 | 自己啓発/女性エンパワメント |
出版社 | Wise Ink Creative Publishing |
出版日 | 2023/11/02 |
ISBN | 978-1634896597 |
本文 | 与えられた役割を完璧に演じ、波風立てず「いい人」であろうと頑張って疲弊している女性は多い。そんな読者に向けて、著者は「ワイルドな自分を取り戻そう」と誘う。まず、著者は「自分らしさを取り戻す旅」としての半生を振り返りながら「あなたはどうだった?」と親密な文体で読者に問いかける。 天真爛漫で勇敢だった子ども時代とは一転して、思春期に入ると著者は、体型へのコンプレックスからダイエットとドカ食いを繰り返し、モテない自分を恥じるようになった。自己肯定感の低さを埋め合わせるように学業や仕事を頑張り、周囲が喜ぶ「感じのいい」振る舞いを続けてきたのだが、そんな「演技」ばかりの人生は虚しい。著者と同様に、世間のルールに従って本当の自分を抑え、「いい子」を演じてきた女性は多いだろう。これは本人が悪いのではなく、企業文化や女性差別に問題がある。とはいえ、既存のルールに従うかどうかは自分で選択できる。自分の生き方は自由に決めてよいのだ。誰かのための演技をやめて、自分の人生の主演女優になろう。 著者が提案する「地に足のついたワイルドさ(分別ある野生)」とは、肩肘を張って反抗することとは異なる。怒りやマイナスの感情を押さえつけるのではなく、本当の気持ちと向き合い、自分の感覚を信じて、ひるまずに一歩踏み出せるようになること、それが成熟したワイルドさだ。まず「ありのままの自分には価値がある」と自信を持ち、周囲の顔色をうかがって萎縮せず発言力、実行力を発揮し、さらには自分らしく自由でいられる仲間を作ろう。そのためのノウハウが具体的に紹介されている。 本書は、女性のためのアサテーション・トレーニングの手引きでもあり、女性リーダーが自分の実力を疑う「インポスター症候群」に陥らず、堂々と活躍するための心理的サポートの書でもある。パートごとに「振り返りの質問集」もついており、読者が著者のメッセージを「自分ごと」として考える仕掛けもある、実用的な一冊。 |