原題 | The Sound Atlas |
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著者 | Michaela Vieser and Isaac Yuen |
ページ数 | 176 |
分野 | 自然、生物、自然科学、民俗学、歴史、芸術 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2025/09/01 |
ISBN | 978-1836391104 |
本文 | ネイチャーライターのミヒャエラ・フィーザーとアイザック・ユエンが贈る、音に纏わる36のエッセイ。 「音」は刹那の現象だと思われるかもしれないが、音の記憶は私たちに時間・空間との深いつながりをもたらし、魂への扉を開いてくれる。目を閉じれば視界は閉ざされる。しかし、音はエネルギーであり、私たちは伝わってくる振動を完全に排除することはできない。私たちは、日常、自分たちが意識している以上に音を体感しながら生きているのだ。 本書は普段意識することのない音や不思議な音、不快さを伴う音など様々な音に焦点を当て、音の体験の奥深さへを探る道へと読者を誘う。 氷山が崩れる音、ビッグバンの残響、ハンピ遺跡の石柱の音、蝙蝠と蛾の音対決、アイルランドの弔いの歌、かつて広く活用されていた霧笛、求愛する魚が発する音、砂漠の鳴き砂、核実験の爆発音、宇宙探査機に人類が託したレコード……音に関する興味深い事実を科学、歴史、芸術など幅広い切り口で綴ったエッセイは、どれも魅力に溢れ、読者の好奇心を掻き立てる。 歴史上の逸話から現代の最新研究まで、世界各地の音について読み進めていく感覚は、音を巡って時間と空間を旅するかのようだ。各章は、一つ一つ独立したテーマで書かれており、まるで地図帳を開いて好きな場所を選ぶように、どこから読んでも楽しめる。 本書のドイツ語版『Der Atlas der ungewöhnlichen Klänge』は2024年のITBブックアワードの最優秀文学的旅行書部門で受賞を果たしている。読者は本書を通じて革新的な音響技術に触れる一方、人類によって失われつつある自然界の静寂やハーモニーについても思いを馳せ、音の世界を巡る旅を楽しむことだろう。 |