原題 | The Perilous Deep |
---|---|
著者 | Karl Bell |
ページ数 | 320 |
分野 | 歴史、民俗学 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2025/07/01 |
ISBN | 978-1836390909 |
本文 | 広大さと底知れぬ深さ、危険と神秘。それらを併せもつ海は、船乗りたちにとってどのような存在だったのか。何世紀もの間、語り継がれてきた海の亡霊や怪物たちは、陸の住人にとっては「異質」な存在であり、海を越え、時を越えて、それらの伝説を語り継ぐことで船乗りたちの絆を深めてきた。そして、物語は、海を渡って土地の伝承と混じり合い、作り上げられてゆく。 読者が海へと誘われ、出会うのは、神話に語られる若い神々、リヴァイアサン、消息を絶った船、海の大蛇、セルキー、そして人魚族。これらの「海の怪物」たちは、何世紀も伝説、伝承や神話、さらには夢にまで息づいている。大西洋に棲む彼らの存在を通して、本物の航海に出た者たちが、恐怖や希望の対象となり得る海と、どのように関係を築いていったのだろうか。 なぜこれらの物語は、形を変えながら、広がっていったのか。海の人間にとって、どのような畏怖、憂慮、そして欲望が語られているのか。神話と伝説を通して示唆されるのは、海上生活における知恵や、海という自然に対する制御感であり、それらは船乗りたちの経験の中で育まれてきた。本書では、こうしたテーマも掘り下げながら、海の伝承がどのように語り継がれてきたのかを探る。 海の伝承をまとめた本としてだけでなく、神秘と魔法に満ち溢れ、大西洋の超自然的歴史を探究した本としても、読者を魅了する。 |