ブックレビュー
| 原題 | Maid in America |
|---|---|
| 著者 | Rosemary Everton |
| ページ数 | 152 |
| 分野 | ビジネス、ビジネス自己啓発 |
| 出版社 | Advantage Media Group |
| 出版日 | 2025/11/11 |
| ISBN | 978-1642258547 |
| 本文 | 本書は、不屈の意志を持って、真のアメリカンドリームを成し遂げた著者が、自身の波乱万丈の半生を語った回顧録だ。デラウェア州の労働者の家庭に生まれ、15歳で妊娠、若くして結婚した著者の人生は、茨の道になるだろうと思われていたが、自ら運命を切り開き、成功を収めた。 置かれた状況によって与えられる人生を拒んだ著者は、母親業と夜間学校への通学、仕事をやりくりしながら、夫であるマイクと清掃業を一から立ち上げた。当初は個人宅用の小さなビジネスだったが、やがて事業は数百万ドルの利益を上げる企業向けの清掃管理業へと成長していった。 著者が一世一代でビジネスを成功させた物語は、起業家精神とは何たるかを我々に示している。事業成功についての率直な所感や、忍耐力や一貫性、信用、仕事上の関係維持などがいかに大切か、という教訓や知恵はビジネスだけではなく、結婚や家庭、そしてどんな苦境でも希望を失わないための人生観にも強く影響を及ぼす。 つまり本書は、単に事業のサクセスストーリーを記録しただけの回顧録ではなく、より奥深く、悲劇を乗り越えた一個人の物語でもある。子供を亡くした経験や、家族に降りかかる苦難、厳しい経済状況、仕事上の障害……そういった苦境を乗り越えるたび、著者は驚くべき再起力を発揮した。その並外れた人生はジョージ・H・ブッシュ大統領にも顕彰され、思いがけず全国的な注目を浴びるに至った。 著者は誠実で、周りの人を勇気付けるような楽観的な性格だった。それに加え、強い意志や信念を持ち、勤勉であった。志を持ち続ければ、誰もが夢を叶えられるのだと自身の半生で証明したのだ。たゆまず努力し、環境に適応し、何より自分自身を信じれば、アメリカンドリームは実現できるのだと、本書を通して力強く語りかけている。 |