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原題 Healing Spices: How to Use 50 Everyday and Exotic Spices to Boost Health and Beat Disease
著者 Bharat B. Aggarwal
ページ数 336ページ
分野 実用書/健康/医学
出版社 Sterling
出版日 2011/1/4
ISBN 978-1402776632
本文 香辛料には、我々の想像をはるかに超えたパワーが潜んでいる。実は、ハーブや果物、野菜以上に、抗酸化物や健康増進化合物が多く含まれているということが科学的研究によって明らかになっているのだ。また、香辛料を消費する人口は、心臓病やがん、糖尿病、アルツハイマー病といった生命を脅かす病気の発生率が一番低いことも、世界の食習慣研究によって立証済みである。

香辛料と聞くと、隠し味程度でなじみが薄く感じられるが、その種類は実に多く、普段よく口にしているものの中にも、その仲間は多い。バジルやシナモンはもちろん、お菓子で定番のアーモンド、ココア、バニラもそうだ。著者のバーラト・B・アガワルは、香辛料を用いた治療の先駆け的な存在で、本書では50種類の香辛料とその治癒性を徹底的に考察し、医学的効果や調理法に加え、香辛料の組み合わせ方や入手法まで紹介してくれる。また、喘息やアレルギー、がんといった150以上の病気それぞれに対し、効能がある香辛料が一目でわかるアルファベット順の「香辛料の処方箋」やレシピ集をまとめた付録的章もあり、一般読者に非常にわかりやすく、香辛料を身近に感じさせてくれる内容になっている。

知られざる香辛料パワーを学ぶことで、料理の幅を広げ、さらに健康も手に入れられる、まさに一石二鳥の「置き薬」的な頼もしい一冊。