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原題 Chasing Chiles: Hot Spots along the Pepper Trail
著者 Kurt Michael Friese, Kraig Kraft, Gary Paul Nabhan
分野 食/環境/紀行
出版社 Chelsea Green Publishing
出版日 2011/3
ISBN 978-1603582506
本文 南米の原産のトウガラシは、コロンブスの新大陸発見以降、アフリカやインド、東南アジアの国々をはじめ世界中に広まり、いまや欧米の食卓にも欠かせない存在となっている。日本でも激辛ブームや食べるラー油ブームが記憶に新しい。しかし、そのトウガラシが近年、気候変動の影響を受けて危機に直面しているらしい。

そこで、大のトウガラシ好きを自認する3人---郷土料理を守るシェフに、トウガラシ一筋の農業生態学者、原種や希少種のトウガラシ栽培を自ら手がける民族植物学者という異色のトリオ---が、それぞれの専門を生かし、“本場”の味と産地の現状を探るべく、1年間の旅に出た! 合衆国の8つの州とメキシコを股にかけて、貴重なトウガラシやおなじみのトウガラシを追い求め、栽培農家や地元シェフから話を聞いて、その土地土地の文化や伝統にふれる。

本書は愉しい旅行記というだけではない。トウガラシという普遍的で身近な食材を通して、気候変動や異常気象が我々の食や生活にいかに大きな影響を及ぼしているか、またそれに対処しようとする農家の知恵や現地の人ならではの視点について考えさせられる。