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原題 We All Wore Stars: Memories of Anne Frank from Her Classmates
著者 Theo Coster
分野 伝記/歴史
出版社 Palgrave Macmillan
出版日 2011/9
ISBN 978-0230114449
本文 世界的ベストセラーの『アンネの日記』は、迫害を逃れるために隠れ家生活を余儀なくされたユダヤ人たちの当時の生活が、少女の鋭い観察眼によって描かれた大変貴重な歴史的文献といえる。だが、この時代を生きたほかのユダヤ人たちが一体どういう運命を辿ったのかは、ほとんど知られていない。

著者テオ・コスターは、この迫害を生き延びた貴重な生存者であり、アンネのクラスメイトでもあった。終戦後はイスラエルに移り住み、チェスなどのボードゲームのデザイナーとして生計を立てた。また、自身の体験談やアンネとの思い出を語り継ぐべく、語り部として多くの学校で講演を続けている。こうした活動の中で、二度とこのような歴史が繰り返されないために、何か後世に遺せないかと考え、強制収容所で生涯を終えたアンネとは対照的に、この時代を生き延びた6人のクラスメイトたち(著者を含む)の知られざる物語にスポットを当てたドキュメンタリー映画の構想を思いつく。

本書はこのドキュメンタリー映画を基に構成されたもので、6人それぞれが、アンネとの思い出を織り交ぜながら当時の体験を語ってゆく。また、アンネと同じ境遇にありながら、「生」という運命を辿った彼らの体験は、アンネが辿った「死」というショッキングな運命を再度浮き上がらせる。