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原題 The Dyslexic Advantage: Unlocking the Hidden Potential of the Dyslexic Brain
著者 Brock L. Eide, Fernette F. Eide
分野 教育/医学/学習障害
出版社 Hudson Street Press
出版日 2011/08
ISBN 978-1594630798
本文 これまでディスレクシアに関しては、読み書きの困難ばかりが注目され、いかにそれを克服するか、いかに学校や職場に適応するかが問題とされてきた。しかし、短所と長所は表裏一体のもの。本書では、ディスレクシアならではの脳の特性に着目し、その優れた面に光をあてて、深い洞察と豊富なケーススタディをもとに、いかに能力を育み、可能性を開花させるかを詳細かつ平明に解説する。

本来、ディスレクシアは脳に欠陥があるわけでもなければ、病気でもない。ただ、情報処理の仕方が多くの人と異なるだけである。そして、その特性ゆえに、おおよそ4つの分野---物質や物理に関する思考力、関係性を見出す思考力、物語的な思考力、力学を見出す思考力---で優れた才能を発揮する。こうした強みをうまく見きわめ、伸ばし、使えるようにすれば、とりわけ成人してから、ディスレクシアであることを存分に楽しみ、その利点を享受できるようになる。

もちろんディスレクシアを抱える人の苦手なことにも言及し、どうすれば短所を長所でカバーできるか、どうすれば学校や職場でスムーズに能力を発揮できるか、さらには適職もアドバイスしている。

読み書きの困難はたしかに大変なことではあるが、それがディスレクシアのすべてでもなければ、ディスレクシアを抱える子どもの成長、学習、成功にとって唯一重要なのでもない。本書は、明るく力強く日々を前向きに過ごすための希望と具体的な目標に満ちている。負の面ばかりではないディスレクシアの全貌を知ろう。