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原題 Women from the Ankle Down: The Story of Shoes and How They Define Us
著者 Rachelle Bergstein
分野 ファッション史
出版社 Harper
出版日 2012/5/29
ISBN 978-0061969614
本文 どうしてあなたは、どうしようもなく歩きづらい靴に大金を払いつづけるのか? 靴を見ればその人がわかるというのは、本当だろうか? その答えを知りたい人は、ぜひ本書を読んでもらいたい。

本書のストーリーは、イタリアの小村ボニート出身の靴職人サルバトーレ・フェラガモで始まり、ニューヨークを舞台にした映画『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリー・ブラッドショーで終わる。多くの章で、特定の時代の靴のトレンドと深いかかわりを持つ人物を取り上げて、簡単な人物評伝を展開するとともに、靴がどのように当時の女性の価値観やライフ・スタイルと結びついているかを解き明かす。

まじめな学術書の延長線上にありながら、取り上げているトピックスの大衆性と著者の巧みな文章で、面白くて読みやすく、かつ、意味深い作品に仕上がっている。靴好きはもちろんのこと、ファッション好き、映画好き、洋楽好き、有名人好き、歴史好き、社会学好き、と多くの人が楽しめるだろう。