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原題 Radikal führen
著者 Reinhard K. Sprenger
分野 ビジネス/経営
出版社 Campus Verlag
出版日 2012/9/10
ISBN 978-3593394626
本文 長年コンサルタントとして活躍してきた著者が、改めて自身の論理を実践とともに見直し、体系的にそのノウハウを説く。章立てのステップに沿って課題に取り組む作りになっており、非常に実用性に富んだ、マネージメント論の最先端をいく1冊である。

著者は、社員やプロジェクトのメンバーを対象としたマネージメントだけではなく、組織の改善や費用の削減など、常に会社全体を視野に入れることの重要性を説く。協力と競争といった多角的な関係を、人、部署それぞれの立場から導くのは、まさに豊富な経験のなせる業だろう。図示や箇条書きなど見た目にもわかりやすく、実践の手助けとなる。

木を見て森を見ず、あるいは森を見て木を見ずといった偏った視点に陥らないためにも、個と全体にバランスよく眼を配る本書のセオリーは非常に有効である。「マネージメントに今さら目新しい理論などない。それはずっと昔から問われてきた共同体の在り方なのだから」とは著者自身の言葉だが、現代の我々が身を置く環境を鋭く見据え、未来を見はるかす彼の見当識には説得力と牽引力があり、読者は新たな展望を臨めるだろう。