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原題 Schon wieder Montag ... 50 Ideen, mit denen Sie den Jobfrust uberwinden
著者 Kirsten Khaschei
ページ数 192ページ
分野 自己啓発/職業/キャリア
出版社 Campus
出版日 2009/2/9
ISBN 978-3593385105
本文 また月曜日がやってくる……。

乗り気がしない、落ち着かない、いらいらする---月曜日が苦手な人には思い当たるところのある症状ではないだろうか。日曜日の午後になると、もう気分が落ち込み始め、次の日にやるべき課題について考えをめぐらすようになる。いよいよ夜になってしまったら、気分は最低といったところだ。こうして月曜日の朝を迎えると、大きな失望感が襲ってくる---「会社に行かなくては」

こういった「ブルーマンデー症候群」は広く世間に行き渡っており、気分を落ち込ませるだけではなく、生産性まで下げてしまう。

著者は本書で、この「ブルーマンデー症候群」に対処するための方法を示している。ルーチンワークやストレスとの付き合い方から、即効性のある活力刺激トレーニングまでを網羅した、モチベーションアップのための50のヒント。ちょっとしたことではあるが、その効果は絶大で、誰でもすぐに試してみることができる。

たとえば……

・とりあえず朝しっかりと愚痴をこぼしてみよう
 (会社に到着してからではなく、家を出る前に!)
・満ち足りた朝食を取ろう
・心地よい音楽を聴こう
・否定的な考え方を意識して締め出そう
・仕事への興味を再び思い起こして、
 月曜日には楽しみながらやれる課題を嵐閧ノ入れよう

本書にはさらに、月曜日苦手度チェックテストが付いている。このテストによって、読者は自分が月曜日の憂鬱な気分に囚われているかどうかをチェックできる。

本年2月中旬に発行されたばかりの本書であるが、「月曜日が来るのが憂鬱だ」という、多くの社会人が共感できるテーマを扱っているためか、現地ではすでにラジオや新聞などのマスメディアで取り上げられ、話題を呼んでいる。

ベルリン新聞(Berliner Zeitung)のインタビューでは、著者は次のように語っている。

「現在の世界的な経済金融危機の状況下では、各人にかかる負担が増加していて、常にスピードと効率が求められ、そのストレスがブルーマンデーの大きな原因になっているようです。しかし、この感覚はストレスによるものだけではなく、日々のルーチンワークや退屈感から引き起こされる場合だってあるのです。ところが、歴史的に見ると、ベルリンの壁崩壊直前の大規模なデモは月曜日に起こったし、東西統一ドイツが再建されたのも月曜日でした。つまり、月曜日は必ずしもネガティブな曜日というわけではないんですよ」