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原題 Bringing it to the Table: On farming and Food
著者 Wendell Berry
分野 農業/環境問題
出版社 Counterpoint Press
出版日 2009/8/18
ISBN 978-1582435435
本文 農業を取り巻く環境は日に日に変わってきている。農業を変えた最大の要因は、資本主義経済だ。効率や生産量を上げることを求められる一方、生産単価が低下したことで、家族経営の小規模農場は次々と廃業し、企業による大規模農場が増えてきた。昔ながらの小規模農場では野菜も畜産も同時に生産していたが、大規模農場では専用の野菜、畜産のみを生産する。まるで工場のようだ。産物が密集してつくられる工場式農場では、生産物も作業員も健康を害している。また、生産地と消費地の分離もはなはだしく、消費者は生産過程をまったく知らない。

本書は、「食べることは農業行為の一環」だと主張する著者の、1970年代からのエッセイをまとめたものだ。自らも農業に取り組みながら、農業を取り巻く変化を見つめ、新しい問題にもすぐに着目する著者の姿が鮮やかに浮かび上がる。

食卓にのぼる食べ物がどこからどのようにやってくるのか知らない都会の消費者たちも、本書を読めば、農業の一環を担い、食べること、ひいては生きることの喜びを見いだせるだろう。