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原題 Geranium (Botanical)
著者 Kasia Boddy
分野 ガーデニング
出版社 Reaktion Books
出版日 2013/1/3
ISBN 978-1780230481
本文 植物学シリーズの一冊。各巻ひとつの植物を抽出し、園芸、植物学の記述とともに、文化、社会への広い影響を考察する。本書ではゼラニウムの登場、普及の物語にとどまらず、プラントハンティングから栽培、また、医療、慈善事業から園芸スタイルの変更まで、幅広く解説する。

ゼラニウムは17世紀オランダのプラントハンターによって、現在のケープタウン近くの砂漠で収集された。まもなく、裕福なコレクターや造園家は競ってこの貴重品を温室で育てることになるが、残念ながらゼラニウムは長い間人気の花とはならなかった。後にスカーレット色の交配種が窓辺や公園の花壇に飾られるようになり、ようやく園芸商品として開花することになる。今日、ゼラニウムは世界各国で育てられ、高度産業化とともに食物や香水としても使われている。