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原題 The Universal Tone: Bringing My Story to Light
著者 Carlos Santana, Ashley Kahn, Hal Miller
分野 音楽/自伝
出版社 Little, Brown and Company
出版日 2014/11/4
ISBN 978-0316244923
本文 1億枚以上のアルバムセールスを誇り、グラミー賞を10回受賞、ロックの殿堂入りも果たしたバンド、サンタナ。バンドリーダーであり伝説のギタリストとなったカルロス・サンタナ本人が、自身のこれまでの人生をまっすぐに見つめ、詳細に、誠実に物語る。

自らのルーツであるメキシコへの想い、両親のなれそめと人物像、貧しい暮らし、アメリカ移民となってからの苦労、バンド結成、成功、東洋哲学への傾倒といったエピソードを織り込みながら、現在までの人生を、「音楽」「息子であり、兄であり、夫であり、父である自分という人間」「目に見えない精神的次元」の3つの領域から考える。

ギタリストとして栄光の歴史を刻みながら、社会的、人道的活動にも熱心に取り組み、「音楽と魂は相互に通じ合う」という信念をもち、ショービジネスやエンタテイメントとは無関係の、高みへ導いてくれる「Universal Tone(普遍の調べ)」をも語る本書は、他の人気ミュージシャン自伝とは一線を画している。