ブックレビュー ブックレビュー

原題 Sweet Invention: A History of Dessert
著者 Michael Krondl
分野 食/歴史
出版社 Chicago Review Press
出版日 2011/10/1
ISBN 978-1556529542
本文 「デザート」とはなんだろう?

ワッフルをデザートと呼ぶ土地と呼ばない土地があるように、文化によって「デザート」の認識は違う。そして、デザート一つ一つが背負っている社会的、文化的な歴史は深くて重い。本書は世界の偉大なデザートの起源、変容や進化を探る、詳細な調査に基づく優雅で機知に富んだデザートの歴史書である。

私たちにドーナツをもたらしたのはペルシャのお菓子メーカーであり、現在のウェディングケーキを生み出したのはイタリア・ルネッサンス文化の砂糖彫刻家だった。お菓子は、古代メソポタミアでは神々への捧げ物であり、ヨーロッパではペストリー(パイやタルト)が宗教的な意味をもっていた。ユダヤ教でもキリスト教でもヒンズー教でも、宗教上の休日は甘いお菓子で祝い、子供の誕生、離乳、誕生日、そして故人を偲ぶときにも人々のそばにはお菓子があった。

著者は、歴史的、文化的な観点から、世界中のお菓子の食習慣に多大な影響を与えたと思われる国、都市をインド、中東、ヨーロッパ、アメリカから6つ選んだ。章ごとに、その地を象徴するお菓子と著者自身との出合い、その地のお菓子メーカー、お菓子の歴史とそれをめぐる文化、お菓子の材料とその背景、レシピが紹介されている。