ブックレビュー ブックレビュー

原題 Mind Wars: A History of Mind Control, Surveillance, and Social Engineering by the Government, Media, and Secret Societies
著者 Marie D. Jones, Larry Flaxman
分野 歴史/科学
出版社 New Page Books
出版日 2015/4/20
ISBN 978-1601633583
本文 他者の考えや行動をコントロールしようという企ては、人間社会において古くから存在する。そして現在に至っても、他者の考えや信念を都合よく変えてしまおうと画策する者たちに私たちは翻弄されている。

著者らは、古代エジプト人やテンプル騎士団が行った威圧的説得から、暗黒時代や中世の政治的権威・宗教的権威による心理操作、ナチスのプロパガンダ、さらにはCIAによる洗脳実験にいたるまで、さまざまな出来事を例に挙げながら、歴史的にマインドコントロールが行われてきた事実を読者に示す。さらに、マインドコントロールが行なわれる背景は何か、どのような手段で私たちはコントロールされてしまうのか、という視点からも衝撃の事実を明らかにし、実際に採用されたマインドコントロールの方法と標的にされた人物についても紹介する。

マインドコントロールは小説や映画の世界の物ではない。私たちの心を危険に晒し、思考操作をも可能とするおそろしい技術は、今も発展を続けている。