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原題 Al Dente: A History of Food in Italy
著者 Fabio Parasecoli
分野 食/文化
出版社 Reaktion Books
出版日 2014/5/15
ISBN 978-1780232768
本文 スパゲッティ・ボロネーゼやフェットチーネ・アルフレード、マルゲリータにリコッタチーズにパルメザンチーズ――今や、世界中で愛されるイタリア料理。しかし、ほんの50年ほど前まで、イタリアをはじめとする南地中海地域の国々は、何世紀にもわたり、食糧難、戦争、侵略、不都合な農業環境と闘ってきた。肉や乳製品に乏しかったイタリアは、1950年代の終わりになるまで、穀物や豆、野菜中心の食生活だったのだ。

それが、この半世紀で、新たな梱包や保存方法、大量生産、さらには輸送や流通の高度なシステムが生み出され、イタリアの人々の食に対する考え方は大きく変わった。さらに、健康的な食事として世界的に認知されたことにより、イタリア料理は今日の名声を手にすることになる。

Foods and Nationsシリーズ第1弾の本書『アルデンテ』では、イタリア各地を巡る旅へと読者を誘いつつ、イタリア料理がいかにして今日の地位を築き上げたか、人々がいかにイタリア料理に熱狂していったかを探る。

*シリーズ他作品として、ドイツ、インドが刊行されており、今後、アメリカ、ギリシャ、日本、トルコ、アラブ世界、ベトナム、スペイン、と続く予定です。