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原題 Street Art World
著者 Alison Young
分野 美術
出版社 Reaktion Books
出版日 2016/10/17
ISBN 978-1780236704
本文 ストリートアートや落書きは世界中の町にあふれている。壁絵のたくさんある地区には観光客が集まり、ファッション写真やミュージックビデオの背景として撮影されることも多い。ロンドンを中心に活動するバンクシーはいまや世界的に知られる有名人で、その作品は目の飛び出るような高値で取引される。何百万ものストリートアートがスマホで写真に撮られ、ソーシャル・メディアにアップロードされ、なかにはTシャツなどの商品にプリントされて販売されるものもある。

それにしても、ストリートアートは落書きではないのだろうか? 経緯や意味合い、描き手が異なるのだろうか? ストリートアートを描くのはどんな人たちなのか? それを購入するのは誰か? ギャラリーに展示してもよいのか、それともやはり街頭にあるべきか? 美術館がストリートアートを収集しはじめたのはなぜか? ストリートアートを取引する商業市場はあるのか? ストリートアートに未来はあるか?

ストリートアート誕生の経緯や背景、盛衰を整理した初の書籍である本書は、通常は隠れた存在であるストリートアートにさまざまな角度から迫り、そうした疑問のすべてに答える。アーティスト本人、関係者の証言もふんだんに盛り込まれ、貴重な写真も満載。