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原題 Long Road to Harpers Ferry: The Rise of the First American Left (People's History)
著者 Mark A. Lause
分野 歴史/19世紀アメリカ公民権史、社会運動史
出版社 Pluto Press
出版日 2018/9/20
ISBN 978-0745337593
本文 本書は、アメリカ独立以降、黒人奴隷解放を求めて武力蜂起し、南北戦争の引き金にもなった1859年のハーパーズ・フェリー襲撃事件に至るまでの市民運動の経緯を語っている。

自由と身分制度からの解放を訴えるジャクソン流民主主義、武力により理想を実現しようとする奴隷制即時廃止論、ロバート・オウエンの空想的社会主義の影響、黒人初の社会運動組織を設立したジェームス・マッキューン・スミス、女性公民権運動の闘士スーザン・B・アンソニーなど、19世紀アメリカで既に公民権を求める運動が一般市民から湧きあがり、これが組織化されていたことに驚く。

労働者階級から生まれたアメリカ社会主義運動の流れを追う中で、現代の強大な資本主義社会アメリカが抱えている人種差別、性差別問題の原点を見ることができる。また、公民権運動に様々な政治的、経済的思惑、利害が複雑に絡み合う状況、および時に暴力を用いて主義主張を通そうとする状況は、20世紀を経た現在でも変わらないことを考えると、アメリカにおける公民権問題の複雑性と根深さを読み取ることができるだろう。