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原題 The World Atlas of Street Fashion
著者 Caroline Cox
ページ数 400
分野 ファッション、デザイン・写真・社会学、民族学、文化人類学
出版社 Quarto
出版日 2017/09/07
ISBN 978-1784722425
本文 本書は世界中の街角(ストリート)で、見かけたその時代時代の様々なファッショを“全員集合”させたような写真集。写真に付されたコメントは、街の雰囲気や時代背景をコンパクトにまとめており大変面白い。まさにストリート・ファッションの地球ベースの地図帳(Atlas)である。

ストリート・ファッションは個人を主張(プレゼン)する最大の場だ。

19世紀後半から都会の街角は、風変わりな服装や、特異な服装を着た人たちがファッションショーを行うキャットウォークに変身した。1880年代のイギリスのバーミンガム、先の尖ったハンチング帽、ドンキー・ジャケット、ベルボトムのズボン、ヘビーなブーツ。都市ギャング・グループのドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』。1964年トロントのメープル・リーフ・ガーデンでプレイしたビートルズは、スーツに身を包んだ『モッズ・ファッション』だ。

ストリート・ファッションは政治的な動きになることもある。コンゴの『サプール・ファッション』は独自の文化だ。内戦の混乱にもめげることなく、庶民は昔ながらの飛び切りお洒落な高価なスーツを着こなす。ロサンゼルス東部の『チョロ・ファッション』は先住メキシコ人への現代人からの呼びかけだ。ストリート・ファッションは若者だけのものではない。『アドバンスト・スタイル』は、アンティーク、年代もの、モダン・ファッションのアンサンブル。キーパーソンの一人アイリス・アプエル氏はフクロウメガネで知られている。なんと年齢は90歳代。

本書はストリート・ファッションの集大成。都市の文化まで匂ってくる、大百科事典。誰でも楽しめるワクワクする一冊だ。