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原題 THE GREAT PLANT-BASED CON
著者 Jayne Buxton
ページ数 150
分野 社会問題
出版社 Piatkus Books
出版日 2021/06/10
ISBN 978-0349427942
本文 「ベジタリアン」や「ヴィーガン」など、近年植物由来の食生活を指向する人が増えている。植物由来の食生活を指向する理由は肉食に対して感じる道徳的な観点での否定的な感情によるものから、健康を目指したものまで実に様々だ。そしてこのような傾向は、環境問題が大きな社会問題となっている昨今により大きなものとなっている。

しかし筆者は、人々が植物由来の食生活に抱いているポジティブなイメージのうちいくつかについては、実は事実無根であると主張する。それどころか、植物由来の食生活には健康上において重大な欠点もあると訴える。例えば、植物由来の食生活だけでは、ビタミン12を摂取することがままならないし、糖質を取りすぎてしまい内臓脂肪が多くなり隠れ肥満になる危険性をはらんでいる。肉食の方がむしろ健康に良いという面も大いにある。植物由来の食生活は、全く健康に良いものではないばかりか、地球環境を救うわけでもない。

それではなぜこれまで植物由来の食生活が良いという風潮は生まれるにいたったのか。そこには、大手食品メーカーや製薬会社の利権の問題が裏に見えてくるのであった。

結局のところ、自分自身の健康のためや環境のためには、私たちはどのような食べ物を食べたら良いのだろうか。それは、肉食か草食かという話ではなくて、加工食品か自然食品かという話であると筆者は結論する。