ブックレビュー
| 原題 | BEYOND LONGEVITY |
|---|---|
| 著者 | Jason Prall |
| ページ数 | 257 |
| 分野 | 健康、医療 |
| 出版社 | Hay House |
| 出版日 | 2022/12/27 |
| ISBN | 978-1401958398 |
| 本文 | 不老不死は古の時代から、人類の大きな夢であり続けてきた。では最先端のテクノロジーは、生物の宿命である老化や死をも克服してしまうのだろうか。 残念ながら現代の高度な医療技術や最新の予防医学の研究成果を持ってしても、不老不死は荒唐無稽な絵空事に過ぎない。仮に実現できても、それは明るい未来とは言えないだろう。冷酷無比な独裁者が150歳まで元気に生きるような世界は、想像しただけでも恐ろしい。世代交代は進まず、婚姻や教育、年金や雇用など、あらゆる社会制度の見直しが必要になる。人間が生きることの意味も根本的に問いなおされる。国家全体がたいへんな混乱に見舞われるのは必至だ。 しかし抗老化研究の第一人者、米ハーバード大学医学大学院のデビッド・シンクレア教授はこう断言する。「老化は病気であり、病気である以上、治療できる」不老不死は無理でも、今後も私たちの寿命が大幅に伸びていくのは、多くの研究者の間で一致した意見だ。人生100年時代と言われるが、これが120年になることも十分可能性があるという。そこで問題となるのは、健康寿命を伸ばすこと（アンチエイジング）である。いくら長生きしても、健康状態に問題があれば、人生の楽しみや幸せを享受することはできない。 本書では20年以上にわたり、アンチエイジングに関する調査を行ってきた著者が、自身の経験はもちろん、世界各地で出会った長寿の方々や100名を超える専門家に行ったインタビューに基づき、健康長寿の秘訣について余すところなく紹介していく。 心身の健康維持に大切なのは、病院や薬、医療器具ではなく、もともと人間の身体の中に備わっているものだと著者は主張する。アンチエイジング研究の今を理解できる一冊だ。 |
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