ブックレビュー
| 原題 | The Wrong Manager |
|---|---|
| 著者 | MARCE FERNANDEZ |
| ページ数 | 256 |
| 分野 | 経営、ビジネス |
| 出版社 | LID Publishing |
| 出版日 | 2022/10/20 |
| ISBN | 978-1911687368 |
| 本文 | 経営者や重役ともなれば過ちはしでかしたくない。自分のキャリアやビジネスが上向きになるように正しい決断をしたいものだ。しかしながら失敗から逃れるものなど誰もいない。ますます複雑になっているこの世界やビジネス界では特にそうだ。実際ほとんどの経営者や重役が正しい決断とそうでないものとを左右するヒントに気づかないまま決断を下してしまっている。 本書は経営上のミスの実例を取り上げて、成功と失敗の間にある秘密を解き明かそうとしている。決断の誤りの背景にある理由を探り、うまくするにはどうしたらよいかを明らかにしている。目標の設定、リスク評価、状況分析、情報処理、大量データ処理、人的管理へのうまいアプローチの仕方を提案する。さらに経営者たちが知ってか知らずかつい陥ってしまう認知バイアスの数々を克服するカギも与えてくれる。筆者の多種多様な経験と多くのビジネスエラーをもとに書かれている。 理想的な経営者とダメな経営者の違いは決断の質にある。よい決断は組織が設定した目的に合致しており、したがってその達成に貢献することができる。よい決断を下す能力は財政、マーケティング、テクノロジー、戦略など組織のどの分野にも適用できる。さらに、モーチベーション、コミュニケーション、ビジョンなど組織運営のどの分野にも向けることができる。経営者が上層部に認められたり、部下の尊敬を集めたり、同僚から称賛されたりすることにもつながる。そしてそれは経営者としての成功につながる。そのためにはどうするか。筆者は知識の重要性を説く。情報やデータを分析して知識に変え、その意義を明確にし価値を十分に判断する。そして判断に必要な時間はきちんととる。仲間の協力も必要だ。過去の歴史を振り返り、実際に下された決断の決定プロセスを自分なりになぞることもよい訓練になるだろう。そして最後に経営者が最良の決断を下すためには組織内の環境の整備が必要だと述べている。 |
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