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原題 A BOOK OF NOISE
著者 Caspar Henderson
ページ数 372
分野 科学
出版社 Granta
ISBN 978-783787067
本文  英イングランド北部に位置するノーフォーク自然保護区。この地を訪れていた本書の著者は、はるか頭上を飛び交う美しい隊列と、そこから放たれる規則正しい音色に魅了されていた。北極圏の繁殖地からイギリスにまでやって来た、おびただしい数の渡り鳥たちだ。無数の小さな羽ばたきが奏でられ、独特のメロディーが辺り一面に広がっていく。
 自然界や人間界のみならず、この全宇宙は個性豊かな特色ある音にあふれていると著者はいう。真空である宇宙に音など存在するのだろうか。(宇宙にも音は存在する)人里離れた森の奥深くで、一本の木が倒れたら、音がするのだろうか。(答えはyesでもあり、noでもある)こうした幾つかの疑問は、本書を読み進めていく中で解けていくだろう。

本書は『A Book of Noises』と題し、そうした様々な興味深い音に関連する項目を4つのカテゴリーに分類し、科学的な解説を加えていく。
 現在、自然環境の破壊が地球規模の大きな問題となっており、熱帯雨林や氷河の消失のペースは加速し、絶滅に瀕している動植物は数知れない。生態系の悪化や生物多様性の喪失は、本書のテーマである音に関連した自然現象の多様性が損なわれる結果にもつながる、と著者は警鐘を鳴らす。そうした強い危機感も本書の執筆の動機となっている。
 バラエティーに富んだ音の研究分析を通じて、自然界のみならず、私たちの身近なところで起きているさまざまな物理現象について解明を試みた一冊だ。