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原題 So feinfühlig und so stark (So Sensitive, So Strong)
著者 Kathrin Borghoff
ページ数 256
分野 子育て、心理学
出版社 Campus
出版日 2022/09/14
ISBN 978-3407847508
本文 4人に1人以上の子が人一倍敏感で、状況の把握や騒音など特定のものを苦手とする。そういった子との関係構築に親も苦労し、途方に暮れ、不満をためがちである。

自身もHSP気質である著者は、人一倍敏感な子の母親でもある。本書を通じ、人一倍敏感な子を持つ親が子どもの強みを学校や託児所でも育むサポートをする。敏感な子がどのようにして自分自身のために立ち上がり、学ぶよろこびを自分なりの方法で体験し、学校や幼稚園に参加できるようになるかを紹介している。子ども自身を変えようとしたり、鍛え、改善したりするメソッドを提案する本ではない。些細なことが他の子と同じようにできない自身の子を劣っていると見るのではなく、その子のポテンシャルを開花させる手助けを目的とする本だ。
また、自分の子がそもそも「人一倍敏感」に含まれるのかをチェックする25問の簡単な質問リストも掲載されている。

親や子どもたち自身のエピソードも豊富に紹介している。息子が自ら柔道を習いたいと言い出した時の著者のエピソードなど、余暇のアクティビティや競争・スポーツについて特別にまとめた章もある。人一倍敏感な子とその親は、こういった場面でもさまざまな課題に直面するのだ。

すぐ実践できる具体的なエクササイズも多数扱う。例えば、就寝時間になっても落ち着かず、眠れない子どもをリラックスさせるためのエクササイズとして「BOX呼吸」を紹介している。
①紙に色鉛筆で(もしくは空中に指で)正方形を描く。
②親が指で正方形の左側の辺をなぞる間、子どもは鼻から息をできるだけ長く吸う。
③そのまま正方形の上の辺をなぞり、(②と同じくらいの時間)息を止める。
④今度は正方形の右側を指でなぞり、(②と同じくらいの時間)鼻から息を吐く。
⑤正方形の下部の辺をなぞり、(②と同じくらいの時間)息を止める。
⑥通常の呼吸に戻して休憩し、問題がなければ上記を繰り返す。

ストレス軽減法や役立つ習慣、教師や保育士との対話など、親子で取り組めることは、思っている以上にたくさんあるのだ。
本書を通して子どもの行動をより深く理解することができれば、周囲の人たちとの接し方も楽になるはずだ。