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原題 Insane Emperors, Sunken Cities, and Earthquake Machines
著者 Garrett Ryan
ページ数 248
分野 歴史/民俗学/古代文明(ギリシャ・ローマ)
出版社 Rowman & Littlefield Publishers
出版日 2023/10/03
ISBN 978-1633888937
本文 古代ギリシャ・ローマ人は陰謀論を持っていたのか?産業革命に近づいていたのか?ビールを飲んでいたのか?
本書は、著者が自身の講座やYouTubeチャンネル「ToldinStone」を通じて受けた40の質問に答える形式で展開される。
前作『Naked Statues, Fat Gladiators, and War Elephants(裸の彫像、太った剣闘士、そして戦象)』同様、古代世界の人々の興味深い日常生活がテーマとなっている。
例えば、冒頭に挙げられた三つの疑問について。
・古代ギリシャ・ローマ人は陰謀論を持っていたのか?
→ 確かに陰謀論は古代から存在し、ローマの政治家や皇帝に対する陰謀や陰謀説は広まっていた。
・産業革命に近づいていたのか?
→ 古代ギリシャ・ローマが現代のような産業革命を経験したかどうかに関しては、文化や技術の進歩は見られたものの、産業化のレベルには達していなかった。
・ビールを飲んでいたのか?
→ 古代ギリシャ・ローマ世界ではビールよりもワインの方がより一般的な飲み物であり、古代ギリシャではビールも一部飲まれていたが、ローマではあまり一般的ではなかったようだ。

そのほか各章ごとにそれぞれの疑問の答えについて詳細に解説されている。さまざまな関連史料の写真が随所に挿入され、答えの根拠となる史料やエピソード、当時の時代背景が豊富に紹介されている。各章は独立しているため、読者の興味のある章だけ読むのもよい。古代ギリシャ・ローマ史の知識を深めるもよし、パラパラとめくって雑学として楽しむのもよしの一冊である。