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原題 The Globe
著者 James Hannam
ページ数 320
分野 歴史/哲学/その他自然科学
出版社 Reaktion Books
出版日 2023/07/01
ISBN 978-1789147582
本文 人間は、地球が丸いことをどうやって理解し、その知識は広まっていったのか。住んでいる世界の形を理解しようとする人間ならではの知的探求のストーリーが本書の主題だ。古代メソポタミア文明のバビロンから大航海時代のコロンブス、そしてその先の時代まで、千年以上を振り返り、地動説が世界で受け入れられていく過程を語っている。
紀元前4世紀、古代ギリシャの哲学者たちは、すでに地球の本当の形を推測していた。古代ローマ人は、古代ギリシャの知識をインドに伝えた。そこからその知識はバグダッドや中央アジアに広がっていった。中世の初期の頃のヨーロッパでは、キリスト教徒はこの問題について議論し、カトリック教会は、地球は平らではなく、丸いという知識を受け入れていたはずだった。しかしその後、どういうわけか大航海時代を迎える頃までには、事情は大きく変わっていた。そして、17 世紀になって、また事情が変わる。今度は、イエズス会の宣教師らが、中国への布教活動を通じて、自分たちが支持していた天動説は間違っていたと、中国人に納得のいく説明ができるようになっていた。
地動説が人類の見つけた明らかな事実と、本書は捉えていない。人類が最初に合意に達することができた偉大な科学理論であると断言している。その素晴らしい科学理論を取り巻いてきた歴史をふり返る。