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原題 The Lean Farm
著者 Ben Hartman
ページ数 256
分野 農業、ビジネス、経営、環境、科学
出版社 Chelsea Green Publishing
出版日 2015/09/16
ISBN 978-1603585927
本文  今、農業は、混乱の危機に瀕している産業だ。 筆者が育った500エーカーのトウモロコシと大豆の農場では、毎年規模を拡大していく事が成功の証だった。それは、より大きなトラクターを購入し、より多くの土地を借り、次から次へと穀物貯蔵庫を建設することだった。今日、リーン生産方式を使って、筆者はよくある5エーカーの広い農場ではなく農場生産性と収益性の高い1エーカーの農場を耕作している。

リーン方式とは、徹底的に無駄を排除し、より少ない労力でより多くのことを行うことだ。 そもそもトヨタで始められたこの改革はやがて世界の製造現場で企業改革の重要なツールとして受け入れられた。しかし工業での改革が本当に農業に適用できるのだろうか。工場と畑ではあまりにもフィールドが違いすぎないか。その当然の疑問に対して筆者はインディアナ州のクレイ・ボトム・ファームで無駄を省き作付面積を縮小しながら、劇的に利益を増やすことで答えを出した。本書ではその変革について紹介する。

農業従事者の仕事はメカニックよりも馬のトレーナーに似ているかもしれない。彼らは植物や動物が自ら育とうとする内に秘めた力を最大限に発揮できるように環境を整えるのだ。きちんとした意図をもって大地を耕作すれば地元の小さな農場でも消費者に喜ばれる商品を安価に提供できる。リーン方式はそうした思いをシステム面から支援する。在庫を減らす、消費者の動向をとらえる、商品価値を生み出すために取るべきステップ、継続的な改善、積み重ねられてきた農業の英知を利用する、など、農業従事者のみならず農業に関心はあるがハードルが高くて足を踏み入れるのをためらっている若者にも示唆に富む多くのアドバイスにあふれている。