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原題 Double Dior: Les vies multiples de Christian Dior
著者 Isabelle Rabineau
分野 伝記/ファッション
出版社 Denoël(フランス)
出版日 2012/10/11
ISBN 978-2207108840
本文 世界で最も有名なファッションブランドのひとつ、クリスチャン・ディオール。その知名度とは反対に、これまでベールに包まれていたといっていい創立者ディオール自身の人生が、豊富なビジュアルとともに本書で解き明かされる。

ディオールは1905年、フランス北西部のノルマンディーマンシュ県・グランヴィルで、実業家の家庭に生まれる。1928年、親からの出資で小さなアートギャラリーを持つと、パブロ・ピカソやマックス・ジャコブなどの絵を置いたが、世界恐慌の余波を受けて閉鎖。その後は、オートクチュールハウスのためにスケッチデザインをやることによって生計を立てていた。

1938年にロバート・ピゲと仕事をしたのち、デザイナーとしてリュシアン・ルロンのファッションハウスに加わる。そして1947年2月に最初のファッションショーを開催。この1947年の春夏コレクションにディオールが採用したラインがいわゆる「ニュールック」であり、世界に衝撃を与える。

1947年の初コレクションから57年に死去するまでの11年間、パリのオートクチュール界の頂点に君臨し、文字通り世界のファッションに革命を起こしたディオールの生涯がここに。