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原題 14 Minutes: A Running Legend’s Life and Death and Life
著者 Alberto Salazar, John Brant
分野 自伝/スポーツ
出版社 Rodale Books
出版日 2012/4/10
ISBN 978-1609613143
本文 世界屈指の陸上指導者、アルベルト・サラザール。1980年代には最強のランナーと呼ばれた彼を、2007年、突如アクシデントが襲う。心臓発作を起こし、14分間心臓が止まってしまったのだ。周囲が脳死すら覚悟した絶望的状況の中、サラザールは奇跡的に復活を遂げる。本書ではサラザール本人がその希少な経験を詳しく分析するとともに、劇的な半生を思索的に、臨場感たっぷりに語る。

キューバ生まれのサラザールは、オレゴン州立大学時代にニューヨークシティマラソン3連覇とボストンマラソンでの勝利を果たし、スターダムにのし上がる。ロス五輪にも出場を果たした。その後、うつ状態に苦しんだ時期を乗り越えて、指導者となる。

サラザールは本書で、現役時代のエピソードと「14分間の臨死体験」を行き来しながら、自らが行き着いた死生観、科学と魂を結びつけた最新の臨死研究を踏まえて、生とは何か、死とは何かを語る。また、その経験豊富な指導法や、アメリカにおけるマラソンの歴史も知ることができる。