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原題 The Church of Fear: Inside the Weird World of Scientology
著者 John Sweeney
分野 宗教/カルト
出版社 Silvertail Books
出版日 2013/1/7
ISBN 978-1909269033
本文 トム・クルーズやジョン・トラボルタらハリウッドセレブが信仰することで有名な新興宗教サイエントロジーは、果たして宗教なのか、カルトなのか。BBCのベテラン記者が、教団幹部やセレブ信者、元信者らへ取材を行い、その過程で自身が経験した嫌がらせ、尾行、洗脳の恐怖を交えながら、暴力と恐怖が支配する教団の内実を明らかにしていく。

ダークスーツに身を包んだハンサムな教団幹部や高級ホテルのような外観の教団本部が登場する一方、取材班の周囲で次々と奇妙な出来事が起こり、エスカレートしていく様子はホラー小説のようだ。宿泊先を教えていないのにホテルに現れる教団幹部、尾行してくる車、記者の自宅周辺で聞き込みをする不審者、さらに、教団幹部と口論になった際に記者が「キレた」様子がYouTubeで公開される事態まで起き、読み進むにつれ緊張が高まっていく。

本書の取材内容はBBCの特集番組『Panorama』で"Scientology and Me"(2007年)、"The Secrets of Scientology"(2010年)として放送され、同番組史上最高視聴率をたたき出した。現在、米国では教団幹部の離脱、元信者による抗議運動が相次いでおり、トム・クルーズら大物信者の動向次第では状況が急変する可能性があると本書は示唆している。

日本国内にも支部があるサイエントロジー。その実態を知る貴重なノンフィクション。