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原題 Brain on Fire: My Month of Madness
著者 Susannah Cahalan
分野 自伝
出版社 Simon Schuster
出版日 2012/11/13
ISBN 978-1451621372
本文 健康で意欲的なSusannahは、ニューヨークの大手新聞社で新米記者としてのキャリアを始めたばかりだった。2009年のある日、24歳のSusannahは、見知らぬ病院のベッドで目を覚ます。体はベッドに縛り付けられており、カメラで監視され、動くことも話すこともできない。リストバンドには「逃走する危険性あり」と記されていて、カルテには「入院1カ月経過。幻覚、暴力、危険な感情の起伏」と書かれているが、本人はまったく覚えていない。

診断は自己免疫疾患である抗NMDA受容体脳炎。抗NMDA受容体脳炎は、自閉症・分裂症などの精神疾患と症状が似ているため、誤診されることが多く、Susannahもまた、初めは精神疾患と誤診される。しかし、ある著名な医師がたまたま行った検査により、ようやく正しく診断され、投薬により完治した。

完治後、Susannahはジャーナリストとして自ら病院、恋人、家族に取材し、父の日記、カルテ、監視ビデオなども調べながら本書を書きあげる。誤診され、症状が進行し、死に向かっていたころ。家族分裂の危機を、彼らはどう乗り越えたのか。

アメリカでの反響は大きく、amazon.comのbiography & memoir部門で月間ベストブックにも選ばれた。2013年5月22日時点で815のレビューが寄せられている。